粘弾性測定装置(レオメーター)
  ~電極スラリーの分散性評価~

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  • アントンパール社製 MCR evolutionシリーズ

サンプルの流動性や固さ、粘性や弾性等の力学特性を定量化することができる装置です。
力学特性と粒子の分散状態は密接に関係しているため、サンプルの分散特性や、攪拌前後の分散状態の変化、静置時の沈降性等を評価することができます。

▶粒子分散系サンプルの分散状態や沈降性を評価できます。
▶塗工時等のサンプル流動を模倣し、これに伴う粒子の再凝集も
 評価できます。
▶電極スラリー等、濃厚粒子分散系サンプルを希釈することなく、
 原液のまま評価できます。

 

原理

レオメータによる測定は、粘度測定、粘弾性測定の2つに大別できます。どちらの測定も、少量のサンプル(約2ml)を上下のプレート間にロードして行います。

粘度測定は、その名の通り粘りの度合いを測定することができます。上側のプレートを回転させることで、回転抵抗から粘度を測定することができます。

粘弾性測定は、サンプルが持つ粘性と弾性をそれぞれ同時に測定することができます。多くのサンプルは、マヨネーズのように、その場で形を保とうとする弾性的(固体的)な性質と、力が加わると流動するという粘性的(液体的)な性質を併せ持っています。
上側のプレートを右回転→左回転→右回転…と振動させると、完全な弾性体であれば上側プレートの振動波と同位相の力学抵抗の波(応力波)が測定され、完全な粘性体であれば、上側プレートの振動と1/4周期ずれた応力波が測定されます。粘弾性体の場合、この位相のずれをδとすると、δが0~1/4周期のどこかになるのですが、より固体的なものであればδは小さく、液体的であれば1/4周期に近づきます。

このように、粘性と弾性のバランスを定量化できます。また、応力波の振幅の大きさから、サンプルの固さ自体も定量化することができます。

 

アプリケーション

スラリーを作製する際、粒子を溶媒に分散させていきます。そのようにして作製されたスラリーの力学物性を測定し、その結果を粒子の分散状態の判断基準とすることができます。実際に、粒子濃度や粒子サイズ、粒子の凝集体が形成する立体構造等によって、力学物性が大きく変化することが知られています。逆に言えば、レオメータで測定できる力学物性は、粒子サイズや凝集構造等のミクロな物性の総和であるといえます。そのため、レオメータでの測定により、様々な情報を包括的に含んだ結果を得ることができ、品質管理や研究開発に使用できます。以下の図に、サンプルの凝集様態の例、サンプル変形に伴って凝集が発生した際のグラフを示します。
スラリーを使用する前に攪拌することがありますが、攪拌によって分散直後と同様の状態になっているか、経時変化は起きるか等も評価することができます。

特徴

▶少ないサンプル量:0.5ml~2ml程度で測定可能(サンプル、測定条件等に依存します)

▶温度制御範囲  :標準仕様 -40~200℃(最大-160~1,000℃)

▶幅広いせん断速度:ほぼ静置状態~105 1/s以上まで(サンプル、測定条件等に依存します)

▶幅広いサンプル種:水のような低粘度液体からゲル状、固体状の物質まで測定可能

仕様

 

  MCR102e MCR302e MCR702e
マルチドライブ
駆動モータ シングル シングル ツイン DMA
駆動ベアリング エア エア エア エア
測定モード 回転/振動 回転/振動 回転/振動 縦振動
最小トルク 5nNm 1nNm 1nNm
最大トルク 200mNm 230mNm 230mNm
最小角周波数 10-7rad/sec
最大角周波数 628rad/sec
最小荷重 0.0005N
最大荷重 40N
温度制御範囲 -160~1,000℃
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