分散・濡れ性 評価に!
 パルスNMR(TD-NMR Spectrometer)

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  • 時間領域 核磁気共鳴装置
  • Spin Track

核磁気共鳴における共鳴の緩和時間を測定し、
粒子界面と分散媒とのぬれ性、親和性、
濃厚分散系試料の分散凝集状態を評価します。

◆比表面積の相対比較
◆分散凝集状態の評価
◆粒子のぬれ性評価
◆分散剤等の吸着特性評価

二次電池についてはこちらから

 

原理

パルスNMR法により、緩和時間(パルスを照射し励起てから元の安定状態に戻るまで時間)を測定します。
それにより、一般的には以下の事が確認できております。

パルスNMRによる微粒子分散体の評価

測定原理~微粒子分散試料と緩和時間

  

 

この現象を利用し、以下の状態モデルを仮説する事ができます。

粒子自体の大きさが異なる場合

  

粒子濃度が異なる場合

分散凝集状態が異なる場合

濡れ性、粒子界面特性が異なる場合

特徴

◆メリット
 ①濃厚系試料の測定が可能(1vol% ~上限なし)
 ②高粘度試料の測定が可能
 ③有機溶媒系であっても測定可能(構造に観測核が含まれること)
 ④再現性が高い
 ⑤測定が早い
 ⑥粒子の形状、アスペクト比が大きくてもそのまま計測が可能
 ⑦豊富な応用性(他にも高分子材料の結晶性や架橋性を評価)

 

◆デメリット
 ①希薄系の測定は困難な場合が多い
 ②沈降性が早い 場合測定は難しい
 ③磁性粒子の測定は難しい場合が多い
 ④緩和時間が変化する原因は複数あるため解釈難しい場合がある

 

アプリケーション

◆単層カーボンナノチューブと各分散媒とのぬれ性比較

  • 分散媒:NMP、DMSO、IPA、純水
  • 粒子:SWCNT
  • 粒子濃度:0.02wt%

NMP→DMSO→IPA→純水の順番でぬれ性が良い事が示唆されました。

 

◆多層カーボンナノチューブの分散評価

  • 分散媒:水+界面活性剤
  • 粒子:MWCNT
  • 粒子濃度:0.02wt%

分散処理時間の異なる試料を測定
2時間処理が最適分散時間である事が確認できました

◇縦軸:分散度、横軸:分散処理時間のグラフ

◇粒度分布測定においても同様の結果が得られました。

 

*米国CPS社製
ディスク遠心式粒子径分布測定装置にて測定

 

◆分散剤の最適量評価

  • 分散媒:水
  • 粒子:30nm コロイダルシリカ
  • 粒子濃度:10wt%
  • 添加剤 PVP(ポリビニルピロリドン)

上澄み液をバルク(ブランク)液として測定しRsp値を算出する事によって分散剤の最適濃度をより明確にとらえる事が出来ました。

 

 

◆電子工業分野

電池のエネルギー生産効率は、電解液ペースト中の反応剤による電極の総濡れ面積と関係します。つまり、濡れない電極表面はエネルギー発生に関与していません。
長時間のエネルギー貯蔵特性が求められる現在、製品性能を向上するには分散液の濡れ比表面積は決定的な要因です。

 

◆医薬品工業分野

胃液中の胃酸と反応可能な薬効成分(API)の濡れ面積は、制酸薬が胃酸過多の症状を緩和する速度をコントロールしています。二種類の処方薬に同じ重量濃度のAPIが含まれているとしても、APIの比表面積が異なると治療効果が異なる可能性があります。

 

◆化粧品分野

TiO2は、多くのサンスクリーン製品の重要な成分です。紫外線のブロック量は、TiO2粒子の比表面積と直接関係します。球相当径が同じ粒子を含む日焼け止めクリームであってもその粒子の形状や構造が異なる場合には、UV保護レベルは桁違いに異なる可能性があります。そのような違いは懸濁液の比表面積を測定する事で検出可能です。また、分散液中における凝集状態の僅かな変化も比表面積を測定する事により簡単に検出可能です。

 

●原料粉体の受入検査●   ●粒子分散系のキャラクタリゼーション●

粒子比表面積は、ナノテクノロジー、医薬品、化粧品、食品、電子材料、エネルギー、触媒、塗料・インク、ファインセラミックス、高分子などを含む広範囲の産業における製造プロセスや製品性能と相関する重要なパラメーターです。

 

二次電池について

二次電池についてお知りになりたい方は、下記ページもご参照ください。

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